金山寺は奈良時代(749)に考謙天皇の勅願により開山した天台宗の寺院である。庭園の作庭時期は不明であるが、お寺の方に伺うと池泉自体は鎌倉時代から存在していたとのこと。令和3年(2021)より客殿・庭園が一般公開された。
長らく非公開だった庭園と客殿が令和3年4月より一般公開された金山寺。こちらは茶室から望む泉水庭園である。
山に沿って続く石は石段であるが、離れたところから観賞すると流れのようにもみえる。鎌倉時代から存在していたという池泉は、護岸石組や石橋などが残されているが、丸みを帯びた石が多いことから後世に改修されたと推測する。
石を固定する石などが見えてしまっているので、本庭園は水が張った状態でないと本来の美しさを感じにくいと思う。
見方によっては、亀石組に鶴石組が合わさったようにもみえる。
泉水庭園が美しく眺めるポイントは、この手水鉢前からである。こちらから池泉が伸び、2本の橋を架け奥行感を生み出している。また池泉に沿って縁側が伸びていることも遠近感を強調している。
夏季に池田藩主が滞在するときに使われた茶室から額縁庭園を撮影。
建物の東側にも庭を設けており、斜面の上部には1石の立石を確認できる。
望遠レンズで撮影してみると、やや左に傾斜させた立石である。
建物から先ほどの立石を望むと、遠山をイメージした遠山石にもみえてくる。なかなかセンスの良い配置だと思う。
お寺の方に是非見ていってほしいと案内された「お成りの間」にある「動くふすま絵」。ふすまに近づいて左から右に進んでいくと、いろいろな変化を楽しめる。たとえば
こちらの絵は正面からの眺めたものであるが、少し右に移動していくと、、
なんということでしょう。人も赤い台も縦に伸びているではないですか! 他にもいくつもの仕掛けがある「動くふすま絵」。ぜひ現地で確認してほしい。本当に驚きますよ。
○ | 山の斜面に1石だけ設けた立石が遠山石のように心落ち着く。 |
× | 泉水庭園は水が張っていないと、やや雑多な感じを受けてしまう。 |