済廣寺(済広寺)
さいこうじ
済廣寺は室町時代(1560)に創建した臨済宗建長寺派の寺院。境内には樹齢約750年のカヤがあり県指定天然記念物となっており、パワースポットにもなっている。境内には池泉観賞式庭園があるが、作庭時期を寺院の方に伺うと約40年ほど前、つまり昭和後期である。
済廣寺では知られていないが、羅漢の窓から池泉観賞式庭園を観賞できる。羅漢とはお釈迦様の弟子のことであり、悟りを開いた方となり、羅漢があるがままの姿で自由に修行している光景を表現した庭園となっている。
寺院の方に一声かけて別角度から観賞させていただくと、3つの滝石組で構成されていることに気づく。ひとつめは多段に落とされたもので、最後に石橋を渡している。
こちらは滝水が流れ落ちる水落石の上部にベロを出したような平石があり、離落ちの形式となっている。本庭園で最も美しい石組だ。
3つめは写真右手の多段に落とされた滝石組である。飛石には臼石のようなものを再利用しており、日本庭園にはこのような石の再利用がよくみられる。
羅漢の窓による額縁庭園。
羅漢の窓に近づいて撮影すると、このようになっている。
済廣寺には、あまり知られていないが「戒壇めぐり(別名:仏様の胎内巡り)」ができる。戒壇めぐりとは、本尊の下にある真っ暗な通路を巡るもので、長野の善光寺が有名であるが、伊豆にもあることは今回初めて知ることに。こちらでは「不動消災の道」と呼ばれる。
世界一の大きさとされるビルマの佛鐘。
○ | 戒壇めぐりと池泉観賞式庭園を一度に楽しめる。 |
× | 池泉観賞式庭園であるが、基本的には羅漢の窓からの観賞となり正面から見学できない。 |