ペリー黒船来航を機に、紀州藩が海防に本格的に取り組み、江戸時代(1854)に海上への見張り番所「元番所お台場」が造られた。昭和40年(1965)に、元番所お台場跡に庭園が築かれ番所庭園が開園。日本遺産にも認定されている。
黒船の見張番所跡に庭園が造られた番所庭園。いろいろな庭園を巡ってきたが、岬に造られ180度海に囲まれた庭園は初体験で驚きを隠せない。
広い敷地であるが、石組を愉しめる庭園は受付近くのエリアに限られる。
紀州らしく青石をふんだんに用いた枯山水である。
枯山水上流には山形の巨石を配置。ただよく見ると水道設備がみえてしまい、いささか興ざめ。訪問が12月であったためか、水は流されておらず、夏場には水が流れるのだろうか。
芝生の築山に沿って護岸石組のように青石が組まれている。
枯山水の下流には遠山石風の石がみられる。
近づいて撮影すると三尊石風に組まれている。
岬であるため強風なことが多く、周辺は断崖絶壁で子連れで訪れるときには十分な注意が必要だろう。
左にみえるのは大島(男島)であり、写真には写っていないが、さらに左には中之島(女島)がみえる。その奥にある山並みは、なんと徳島である。
明日が見えていますか?
芝山には低めの黒松と石が不規則に並んでいる。その様子は白砂青松(はくさせいしょう)にようにも感じる。白砂青松とは白砂と青々とした松によって造形したもので、日本の美しい海岸の風景を見立てている。ここでは白砂が芝生になっているが、島根県の足立美術館の白砂青松と見比べてみると面白いだろう。
番所庭園では、なんとBBQができる。もちろん予約制であるが最高のロケーションであることには間違いない。ただ、、、強風で、肉が吹っ飛ばされそうになることは容易に想像できる(笑) それでも、ここでBBQしてみたくなった。
○ | 断崖絶壁の岬で海を眺めながらの枯山水は、ここでしか体験できない貴重な庭園である。 |
× | 日本庭園としてみるとスケールは小さく、広大な敷地を眺めたあとだと拍子抜けするかも。 |