平安時代(1052年)に、繁栄を極めた藤原道長の別荘を、息子の藤原頼道が寺院としたのが平等院。現存する数少ない浄土式庭園の代表例であり、建物から仏像にいたるまで全て国宝に指定。1996年には世界遺産に指定され世界中から観光客が集まる。
現存する浄土式庭園の数少ない代表例となる平等院。浄土式庭園とは極楽浄土の世界を再現した庭園で、その始まりは奈良時代とされる。平等院は平安時代のもので、貴族の住居の形式である寝殿造に仏堂を建て、池庭を蓮庭に見立てている。
2012年から2年間の修繕工事を経て2014年に落成式が行われ、朱色の美しい姿を取り戻した。
美しい池汀線をもつ阿字池(あじいけ)には蓮(ハス)がみられる。蓮は、仏教では死後の極楽浄土に咲く花として親しまれ、日本庭園の池泉では蓮が多く見られる。なお蓮は7~9月に開花期を迎え、朝9時頃が満開となり、午後には萎んでしまう。
1990年の発掘調査で平安時代に作庭された州浜(すはま)がみつかり、このような美しい汀に復元されている。また、鳳凰堂の中央にある石灯籠は、各パーツが鎌倉時代、室町時代、江戸時代のものが使われているとのこと。(出典:日本の庭園)州浜: 池泉の水を美しく魅せる技法
宇治川の蛇行河川の水たまりを活用した阿字池(あじいけ)、州浜、そして平等院鳳凰堂は実に美しい。
中央の阿弥陀仏堂の右手には尾廊(びろう)が繋がる。また、平橋と反橋は掛け替え工事中であった。残念・・・
平等院ミュージアム鳳翔館の近くに、苔庭が広がる休憩スペースがある。苔庭は2石を配置しただけのシンプルなものだ。
観音堂の近くにある扇之芝。平安時代の武将・源頼政が平家の大軍に敗れ、ここで自害したとされる。
朝8時30分の開門時間帯に訪問したが、さすがは世界遺産。雨天にかかわらず、9時には多くの参拝者で賑わいをみせていた。
○ | 修繕を繰り返しながらも、争いや火災などを免れ約1000年前となる平安時代に造られた庭園と建物が現存していることが奇跡的。 |
× | 特に見当たらない。 |