日本庭園で最も多い様式であり、庭園の中心に池を配置し3つのタイプに分かれます。平安時代に貴族達が舟を浮かべて移り変わる庭園を楽しむ池泉舟遊式。平安時代後期から鎌倉時代には書院などから眺める池泉鑑賞式や、園内を歩きながら楽しむ池泉回遊式へと変遷。
また「【図説】日本庭園のみかた(著:宮元健次)」では、池泉庭園を「自然風景式庭園」と表現して、「自然風景式庭園」を3つに分類している。
- 1.浄土式庭園
- 極楽浄土の世界(つまり仏のいる清らかな死後)を庭園に表現しており、主に平安時代(794-1185)から鎌倉時代(1185-1333)頃に造られている。例:浄瑠璃寺庭園/京都府木津川市
- 2.寝殿造り庭園
- 平安時代の貴族の住宅形式を寝殿造りと呼び、付属する庭園のことである。ただ建物と庭園の両方が現存するものはなく、京都の大覚寺 大沢池や神泉苑で一部見られる程度である。一方、寝殿造りの流れをくむ庭園としては、鹿苑寺庭園(金閣寺)や永福寺跡(鎌倉)などが挙げられる。
- 3.書院造り庭園
- 室町時代以降の武士の住宅形式を書院造りと呼び、付随する庭園である。またこの頃より、枯山水や千利休による「茶の湯」文化が広がり露地なども備える庭園がみられる。例:醍醐寺 三宝院庭園/京都市