大乗寺
だいじょうじ
日本で最初の大僧正(最高位)となった行基(ぎょうき)が奈良時代(745)に開山したと伝わる高野山真言宗の寺院。江戸時代に密蔵法印により再興。密蔵が京都訪問時に苦学中の円山応挙に金銭を与え、天才絵師として大成したのちに弟子と共に客殿襖絵・屏風などを残した。これにより「応挙寺」とも呼ばれている。山門前には枯山水があり、住職に確認すると正確な時期は不明であるが、昭和頃に作庭されたとのこと。
日本写生画の祖ともいわれる円山応挙(まるやまおうきょ)一門が描いた客殿襖絵・屏風で知られる大乗寺。石垣前には昭和に作庭された近代の枯山水がみられる。
ひときわ目を惹く枯滝石組は、苔付いた巨石による滝添石。お寺の方に伺うと、作庭時期は不明だが昭和頃に作庭されたとのことだが、この枯滝石組については、それ以前にあったような風合いを感じさせる。
滝水が流れ落ちる「水落石」は複数の石を組み合わせている。流水が水落石から離れ落ちるように、水落石の上部にはベロを出したような板石をおいている。このような滝石組を離れ落ちの形式と呼ぶ。
亀島のような中島であるが、こちらは丸みを帯びた弱い意志であり、さきほどの枯滝石組と比較すると印象が弱い。
僅かに浮かせた石橋。
○ | 豪壮な枯滝石組は昭和に作庭されたと思えない力強いものである。 |
× | 枯池に鉢がそのまま残されているのは残念なところ。 |