不動院
ふどういん
不動院は平安時代(836)に創建した天台宗・教信寺の塔頭寺院である。庭園は江戸後期(1804~1830)の作庭とされる。
教信寺の境内にある常住院の庭園を見学後に立ち寄る。許可をもらい塀越しの見学をさせていただくが、塀も高いためカメラだけ塀の上にあげて撮影すると、そこには美しく整備された枯池式枯山水があった。
大きな木の右脇にある立石が遠山石。その右手に枯滝石組があり、滝石の手前には天を突くような小型の立石は鯉魚石(りぎょせき)と考えられている。鯉魚石とは、鯉が滝を登りきると龍になるという伝説のことで、もちろん鯉が滝を登るようなことはできないが、ひたすら修行を繰り返すという禅の理念を表現したものである。
枯池には石橋を架け、3ヶ所に橋添石を据えることで、橋に安定感を生み出している。
橋添石と枯滝石組を撮影。滝石の手前には細長い鯉魚石があるが、鯉魚石のある滝石組は龍門瀑(りゅうもんばく)と呼ばれる。龍門瀑については、京都の特別名勝「天龍寺 曹源池」の記事を参考にして欲しい。なお、客殿の南側には枯山水があるが、塀からは死角となり見学できない。
○ | 鯉魚石を備えた龍門瀑はコンパクトながら力強く美しい意匠である。 |
× | 塀越しにしか見学できない。 |