比曽寺(比曾寺)
ひそじ
創建は奈良時代(732)と伝わる真言宗寺院である。明治4年に現在地に移転し、明治20年(1887)に出石仙石家のお抱えの庭師だった朝山半六によって作庭。
書院前の池泉庭園と階段上には本堂が置かれた比曽寺。観光客とすれ違うことがないようなひっそりした田舎であり、町の方には車のナンバーをみて「横浜から来たの?」と不思議がられる状況であった。
書院前には明治時代に作庭された池泉庭園があり、傾斜を利用して枯滝石組を造っている。
明治時代とは思えない豪壮な枯滝石組である。そう感じさせるのは石の力強さだ。この石は川で採取された川石であり、窪みに小石が入り込み、川の流れで小石が回転して削れていき、球体の窪みが生まれる。この窪みは甌穴(おうけつ)と呼ばれ、表情豊かな力強い石となっている。
立石を中心とした意欲的な枯滝石組は、頂部付近にベロのように斜め水平に平石が突き出て、水が岩肌を滑り落ちない「離れ落ち」の形式である。
ベロ出しの板石。滝添石の力強さも見て取れる。
正面から枯滝石組を撮影すると、2段落としの離れ落ち形式になっている。
出島と枯滝石組を撮影。
斜面上から池泉の形状を撮影。
○ | 明治時代とは思えない力強い枯滝石組が魅力的である。 |
× | 特に見当たらない。 |