仁風閣 宝隆院庭園
じんぷうかく ほうりゅういんていえん
宝隆院庭園は江戸末期(1863)に造られた大名庭園。その後、明治40年(1907)に敷地内にルネッサンス様式を基調とした仁風閣が造られた。
鳥取城の麓にある大名庭園。洋館「仁風閣」から芝生続きの日本庭園は、中島を設けた池泉回遊式庭園となっている。
仁風閣の二階から日本庭園を見渡せる。中島には島を囲む石組となる護岸石組はみられない。
亀島と思わしき中島の奥には、山畔(やまくろ)を活かした滝石組が造られている。
滝水の背後にある水落石の両側には、左右で大きさの異なる滝添石を据え滝全体が単調にならないように工夫している。
写真手前の礼拝石(らいはいせき)から、亀島と滝石組を眺める。宝隆院庭園で最も日本庭園が美しくみえるビューポイントだろう。礼拝石:庭園のビューポイント
仁風閣のテラスから庭園南部を望む。芝生には苑路が造られ、中島へ沢飛石で向かう分岐点には、円形の芝部を設けた意匠になっている。
左手に茶室「宝扇庵(ほうせいあん)」があり、曲線を多用した池泉も景観の見所である。
有料施設の仁風閣から洋風の額縁庭園を撮影する。このように洋室から日本庭園を額縁庭園で撮影できる施設は多くはなく、貴重なスポットだろう。
仁風閣 宝隆院庭園の案内図
○ | 異なる時代に造られた洋館と日本庭園が同一施設にあり、不思議と違和感なく融合している。 |
× | 一番の見所である滝石組「段落ちの滝」周辺の雑草を整備することで、より存在感が際立つと思われる。 |