伊丹ミュージアム
いたみみゅーじあむ
日本3大俳諧コレクションのひとつ柿衞文庫、伊丹市立美術館、伊丹市立工芸センター、伊丹市立伊丹郷町館で構成される伊丹ミュージアム(愛称:みやのまえ文化の郷)。その施設の中心に位置する場所に、モダンな庭園造りで知られる日本庭園史の研究家・重森三玲の長男である重森完途が設計し、息子の重森千靑によって一部改修された日本庭園がある。
重森完途と重森千靑によって作庭された枯山水が、伊丹ミュージアムの中庭に造られている。現地には案内板などがなにもないので、著名な作庭家によるものだと知る人は殆どいないだろう。ただ重森三玲の作品を多く見ている方であれば、「もしかして?」と気づくような意匠である。
本庭園のある場所は水の美味しいところであり、江戸時代初期より「伊丹酒」と将軍にも献上されていた。このような土地をイメージして、白砂敷きの流れは清流をイメージしている。
伊丹デジタルミュージアムの解説によれば、『「くの字」の石橋配置と低い架け方、飛石の打ち方を、俳諧の詫びの形態の打ち方にしている。』とのこと。これは伊丹ミュージアムに日本3大俳諧コレクションのひとつ柿衞文庫があることから、このような意匠が生まれている。
「くの字」の石橋配置と低い架け方。そして橋添石は4隅に置かれ、いずれも立石となっている。石橋の奥には蓬莱意匠の三尊石組を配置している。
正面の刈込み部分は、再整備時に付け加えられた枯滝である。清流表現を補足するもので、阿波の青石を使っている。
枯滝に向かうように岩島を配置し、白石で州浜を設けている。
枯滝に向かう岩島は、舟石のようにも見える。また清流をイメージした白砂には沢飛石を打っている。
松の左にある立石が蓬莱意匠の三尊石組である。
○ | 清流をイメージした白砂敷きに、巨石の自然石を使った石橋を2ヶ所渡し、しっかりとした橋添石により安定感を生み出している。 |
× | 特に見当たらない。 |