覚照寺 東日本大震災復興記念庭園
かくしょうじ ひがしにほんだいしんさいふっこうきねんていえん
臨済宗妙心寺派の覚照寺の敷地に、日本庭園協会が復興を祈念して平成25年(2013)から、延べ3500人のボランティアによって5年の歳月を掛け、平成30年(2018)に開園した池泉回遊式庭園。津波で流された灯籠や庭石などが再利用されている。
日本庭園協会が復興を祈念して2018年に開園したばかりの知られざる庭園。覚照寺の敷地奥に池泉回遊式庭園が作られているが、見学者は自分だけである。周囲は山並みに囲まれた恵まれたロケーションで借景が美しい。
池泉には中島が作られ、巨石による護岸石組が作られている。震災で流された庭石をリサイクルしていることもあり、統一感がないのも特徴だろう。
中島には土橋が架けられ、土橋の奥には洞窟石組がみえる。
沢渡石を進んでいくと、
洞窟石組を間近でみられるようになっている。洞窟石組の上部にある苑路には、山畔の土砂崩れを防ぐ土留石組が作られている。洞窟石組:不老不死の仙人が住むとされる蓬莱山には仙人が住む洞窟があるとされ、桃山時代には洞窟を模した庭園が多く造られている
植栽で見えにくいが滝石組が作られ、下流部では流れとなっている。
さらに引いたところで撮影。流れには3本の切石が架けられている。
池泉庭園の上部は貯水池となっており、貯水池の堤から池泉庭園を見下ろす。傾斜を利用した立体感ある地割である。
切石を凹型に切り込んだ水路を伝って手水鉢(ちょうずばち)へと水が流れこむ。
東屋から池泉を眺める。池泉庭園の西部には枯山水の予定地となっている。数年後にまた訪れてみたい。
東日本大震災復興記念庭園の見取り図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 傾斜地を活かして、水源となる貯水池から滝石組、流れを経由して池泉に流れ込む様子が美しい。 |
× | 植栽により滝石組が引き立っていない。 |