可睡齋(かすいさい)は室町時代初期に開山した曹洞宗の寺院であり、遠州三山のひとつ。庭園は3つあり、現在の形になったのは昭和初期とされる大庭園「法華蔵界の池(はちすのいけ)」、令和元年(2019)に修復と新規に作庭された「玲和の庭」と「鶴亀庭園」がある。
朝8時から拝観可能な可睡齋。3つある庭園のうち2ヶ所は無料見学でき、写真は平成29年の台風で崩れた崖を埋めて、令和元年に完成した鶴亀庭園である。頭上にみえる建築物は昭和12年に建築された瑞龍閣(ずいりゅうかく)。
左が亀石組で、右が鶴石組が配された鶴亀庭園であり、石は三ヶ日石を利用している。作庭は浜松市の造園業者である一十園と庭徳造園の支援によって造られた。
拝観料を支払い入館。まずは高祖廟(こうそびょう)から大庭園「法華蔵界の池(はちすのいけ)」の額縁庭園を撮影。このエリアは、平成16年から参拝できるようなったところである。
左手に大書院を望みながら大庭園「法華蔵界の池(はちすのいけ)」を撮影。
朝日の逆光で撮影が難しかったが、写真には枯滝石組と鶴と亀を配しているが分かるだろうか。次の写真で解説すると、、、
このようになっている。まず枯滝石組は切り立った垂直で、一枚の大きな平らな石は、滝水が落ちる部分に配置された石で水落石(みずおちいし)の役割をしつつ、解説では「自分の未来を映し出す鏡石」と紹介されている。そして亀石組の左にある伏石は亀頭石であり、松で鶴を抽象的に表現している。
大庭園「法華蔵界の池(はちすのいけ)」には、水をたたえる池を配した特異な枯山水との紹介されているが、書籍で確認すると、かつては滝に水が流れていたそう。すると、 枯滝石組ではなく専門用語では「涸滝石組」となる。
大庭園「法華蔵界の池(はちすのいけ)」は二方向から観賞できるが、1~3月のひなまつりシーズンは雛人形で庭園が観賞しにくくなっている。
日本庭園よりも断然インパクトがあったのが、日本最大級のひな段。32段1200体のおひなさまは圧巻。こちらは瑞龍閣(ずいりゅうかく)の二階にあり、安土桃山時代を彷彿とさせる書院造り風である。
まるで「ウォリーを探せ」のような数である。
瑞龍閣南側には、平成に造られた「玲和の庭」がある。こちらには、かつて「瑞鳳の庭」と呼ばれた仏道を表現した庭園があったが。平成29年の台風で崩れたため、令和元年に新たに「玲和の庭」が造られた。
玲和の庭。立石と伏石で組まれているが、大きな石が4石で、小さな石が4石と合計8石と石組では余り使われない数であった。どういった意図があるのだろうか。末広がりをイメージ?
竹細工に飾られたおひな様。カワイイですね~
平日の朝8時前に到着したこともあり、3~4組ぐらいしかすれ違わなかったが、休日になると「ひなまつり」目当てで多くの観光客で賑わうだろう。なお、こちらの駐車場は御祈祷車専用であったが、撮影のために短時間停車させていただいた。ここから更に車で進んでいくと、奥に広い無料駐車場がある。
○ | 3つの庭園があり、特に駐車場横の鶴亀庭園は巨石を積み上げた他に例を見ないような構成に驚いた。 |
× | ひなまつり期間は、大庭園「法華蔵界の池(はちすのいけ)」は見学しにくい。この期間は、園内を散策できるようになっていて欲しかった。 |