庚申庵史跡庭園
こうしんあんしせきていえん
庚申庵史跡庭園は小林一茶とも交流のあった俳人・栗田樗堂(くりた ちょどう)が、隠居して俳句に専念するために江戸後期(1800)に建てた草庵である。昭和25年(1950)に愛媛県指定史跡「庚申庵」となり、整備されて平成15年(2003)に開園した史跡庭園である。
この場所は古庚申(ふるこうしん)と呼ばれていた場所に、庚申(こうしん)とは60年に一度巡ってくる特定の年(1800年)に建築されたことより、庚申庵と名付けられた草庵である。
庚申庵の前、および腰掛待合のあたりに藤棚があり、4月中旬には「ふじまつり」が開催されている。また、毎週土曜日にはお茶会が開催されており、気軽に煎茶や抹茶を楽しめる。訪問当日は、お茶会の日ではなかったが、係の方がお茶を淹れてくださり、無料で公開されている施設とは思えないもてなしに感動した。
限られた敷地に東西に伸びる池を設け、数多くの飛石を打ち園内を回遊できるようにしている。
腰掛待合もあるが、公式サイトの図面にはなぜか「東屋」と記されていた。
石組はほぼ無く、現地で眼が留まったのは、こちらの立石ぐらいである。石の形が良いのに加えて、3種類の樹木(サツキ、ツツジ、サカキ?)に囲まれ、緑のグラデーションのようになっている色味の美しさに惹かれたからである。
庚申庵の裏側には立ち手水鉢が置かれている。
庚申庵史跡庭園は、細き流れを引き入れて、山里の風情を醸し出している。
| ○ | 落ち着いた空間で、ゆったりとした時の流れを感じられる。 |
| × | 護岸石組周辺の草木をもう少しスッキリさせると、より景観が引き締まると思われる。 |