小倉邸 曲嶌庭
おぐらてい きょくとうてい
昭和26年(1951)に重森三玲が僅か2日間で作庭した庭園。約200ヶ所の庭園に携わった三玲の20作品目となる庭園は「曲嶌庭(きょくとうてい)」と名付けられた。
吉備中央町黒山には、重森三玲の作品が楽しめる2つの個人庭がある。こちらは小倉邸にある「曲嶌庭」。もうひとつは西谷邸にある「旭楽庭」で両邸宅は徒歩3分圏内である。
曲嶌庭は僅か10坪程の枯山水ながら趣がある。枯山水には、中国古代において海上にあると信じられた伝説上の3つの島・三神山(さんしんざん)を見立てている。奥が蓬莱、左が方丈、右が瀛州 (えいしゅう)であり、それぞれ8石、7石、5石で組まれている。2石以外の偶数で石が組まれることは珍しい。
座敷から曲嶌庭を眺める。雪見障子により座ったままの状態で石組を愉しめる。
同じく書院から額縁庭園を撮影。「曲嶌庭」の「曲」は、「曲水の宴」を意味していると思われ白砂で河を表現、「嶌」は「島」であり、先ほどの三神山を意味している。
庭園入口には手水鉢(ちょうずばち)が設けられている。
7石で組まれた方丈石組。小振りな石であるが品格を感じる。
8石で組まれた蓬莱石組。竹垣には炭の板を用いることで品格を生み出している。このような竹垣はこれまでに見たことがなく素晴らしい意匠だと感じた。
○ | 僅か10坪あまりの庭園に三神山を見立てている。書院からのんびり眺めたい。 |
× | 特に見あたらない。 |