万宝寺
まんぽうじ
万宝寺は江戸前期(1664)に創建された臨済宗妙心寺派の寺院である。作庭は千利休の孫である千宗旦(せんのそうたん)の弟子である杉木普斎(ふさい)とされる。なお、杉木普斎は伊勢神宮の神職を継ぐ家系であった。
満願寺庭園は通常非公開だが、電話予約により見学ができる。駐車場が分かりにくくたどり着くのに時間がかかった。大日山を借景として取り入れた池泉観賞式庭園であり、東西に伸びる池泉の形状は複雑な汀線をしている。
正面には枯滝石組を設けている。その奥には蘇鉄(ソテツ)を植樹している。蘇鉄は室町時代から日本庭園に植えられるようになり、安土桃山時代から江戸時代にかけて流行した。蘇鉄周辺には三尊石があるようだが見つけられなかった。JAPAN GEOGRAPHICには三尊石の写真が掲載されているので参考にして欲しい。
自然石による石橋を架け、1ヶ所に橋添石を据えている。
石橋の手前には、鋭い立石が並んでおり、小さいながらも本庭園で目を惹く石組である。
太閤豊臣より贈られたとされる京都の青蓮院門跡にある「一文字手水鉢」のような手水鉢がある。
護岸石組と飛石は苔庭より高く詰まることで、重厚感が生み出している。そして写真中央には、先ほど紹介した鋭い立石の石組がみえる。
最後に書院より額縁庭園を撮影して、姫路城にある好古園へ向かう。
○ | 書院前の苔庭に敷かれた飛石と鋭い立石のあたりが力強く美しい。 |
× | 植栽が多く三尊石が分からず、また石橋も隠れ気味になっている。大胆に植栽を間引きしたほうが美しいと感じた。 |