大庄屋 山口家
おおじょうや やまぐちけ
山口家は三百数十年の歴史を持つ旧家で、村々を統括する大庄屋(おおじょうや)という役職についていた。庭園は江戸時代初期(1681~1688年頃と推測されている)に造られた。大庄屋:庄屋は村の村長。大庄屋は、複数の村の庄屋を支配する地方役人。
個人邸宅であるため、インターホンを鳴らして観覧させてもらう方式。
ごく短い説明を受けて庭園を拝見する。まずは額縁庭園を楽しむ。5月末の暑い時期ではあったが、日陰で安曇野という場所もあって、風が心地よい。
庭園に降りてみよう。ただ、写真に見えている範囲意外には立ち入りができないため、外にでても見える光景はさほど変わらない。
山口家を代表する庭園アングル。板橋の手前は亀島(かめじま)であり、この視点からは分かりにくいが池泉に浮かぶ亀島になっている。亀島:地泉庭園によく見られる意匠で亀を見立てている。蓬莱島と鶴島の3点セットで造られることが多い。
庭園の角には滝が組まれている。ごく一般的な滝石組であり、桃山時代から用いられている手法である。
手前から切石橋、石灯籠、板橋。なかでも曲線を描く石を使った石灯籠の意匠が素晴らしい。
再び書院に戻り額縁庭園を楽しむ。時間が十分にあれば、畳にごろりとして昼寝したいぐらい。訪問客も少ないので、のんびりできること間違いなし。ちなみに、本書院は江戸時代当初のままの姿である。これは貴重である。
椅子も用意されているので、ここでのウトウトも気持ちいいだろう。
○ | 場所柄訪問客が少なく、広い書院は独り占め状態。座り心地の良い椅子もあり、庭園を眺めながらうとうとできるのも嬉しい。 |
× | 庭園自体はコンパクトながら手の込んだ回遊式池泉庭園であるが、庭園の正面しか散策できないため、庭園鑑賞としては変化に乏しい。 |