大河内山荘庭園
おおこうちさんそうていえん
時代劇俳優の大河内 傳次郎(おおこうち でんじろう)が34歳から、庭師・広瀬利兵衛とともに「消えることのない美」として約30年かけて造った庭園。
時代劇スターの俳優・大河内傳次郎(でんじろう)の山荘。広大な荒地を整備して美しい邸宅庭園にしており、山頂付近に造られた市内展望台「月香亭」からは京都盆地を見下ろせる。
大河内山荘庭園の出発点となる大乗閣前前庭。切石による飛石を抜けて階段を登ってゆく。
中門を潜ると自然石だけで造られた延段「草の延段」。切石のみの延段は「真の石畳」、自然石と切石がミックスした延段は「行の延段」と呼ぶ。
階段を登ってゆくと、嵐山を借景とした雄大な敷地に大乗閣が造られている。
数奇屋師・笛吹嘉一郎によって造られた「大乗閣」は、別荘の中心的施設であり、2020年の「ふるさと納税」では内部見学ができるものが用意されていた。
厚みのある飛石で苑路が続く。
枯山水。ただ松が多く枯山水の全景を眺められずもどかしい。枯山水の先には、、、
茶室「滴水庵」。苔庭に挟まれたところに飛石を設けた、大河内山荘庭園で最も美しいビューポイントだろう。この茶室は鹿王院の僧より滴水禅師ゆかりの茶室を譲り受け「滴水庵」と名付ける。
軒内には自然石を敷き詰めた美しい意匠だ。
茶室「滴水庵」から3分ほどで市内展望台「月香亭」へ。内部に立ち入れそうにみえるが立ち入り禁止である。東側を眺める景色であるため、市内の眺めを楽しむのであれば順光となる午後の訪問が良いだろう。
再び「草の延段」。
最後に入園券にセットになっている抹茶を頂きながら竹林を眺める。ゆっくり散策すると40分ほど必要となる広大な敷地であった。
○ | 複雑に入り組んだ苑路に設けた飛石、延段、瓦を縦に敷き詰めた苑路など工夫されており美しい。また茶室「滴水庵」周辺の苔庭も真夏にもかかわらず青々している。 |
× | 枯山水は松が多く枯山水自体を見えにくくしている。 |