楽寿園は、明治維新や戊辰戦争で活躍した小松宮彰仁親王(こまつのみや あきひとしんのう)が、明治23年(1890)に別邸として造営したものである。昭和27年(1952)より市立公園となり、平成24年(2012) には 伊豆半島ジオパークのジオサイトとして指定された。
新幹線停車駅の三島駅から徒歩1分という利便性に恵まれたる楽寿園は、庭園以外にも蒸気機関車やどうぶつ広場がある総合公園。小浜池は降水量によって推移が大きく変動する池泉で、近年渇水傾向であり訪問時の推移は21cm。ちなみに2019年2月から6月は毎日マイナス水位であった。
満水時はこのような池泉庭園となる。水位150cm以上で満水と呼び、近年では平成23年(2011)に満水とのこと。既に8年も満水になっていないということになる。写真は園内に掲載されていた写真である。
満水時の池泉庭園は楽寿館が水面に反射して美しいが、渇水状態の池泉庭園は、まるで巨大な枯山水のようで面白いものである。
小浜池には4つの中島が作られている。
石灯篭のある中島の護岸石組をみると、満水時の水位が分かる。
訪問時の水位21cmとは、ここのことであろうか。
この日は地域の方と思われる方が、池泉の草木やゴミを除去するなどの整備しておられた。このような努力により、三島の湧水により美しい池泉が浮かび上がるのだろう。
鞍馬石(くらまいし)で作られた貴重な鞍馬燈篭。鞍馬石とはその名の通り、京都市北部の鞍馬山でマグマによってできた石であり、現在では採取は禁止された「幻の銘石」といわれる。鞍馬石は風化して表面が剥離して、鉄さび色であることが特徴。この表面が程より「さび」が「侘び寂び」に通じることから、庭石や沓脱石(くつぬぎいし)や燈篭で使われることが多い。販売価格は中型の靴脱石で80万円ほどするようだ。
ジオパークに指定されている楽寿園なので、三島溶岩も見学。
溶岩塚は、自然が作り出した石組が石が苔むし、力強さのなかに気品があり美しい。
楽寿園の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 降水状況などによって数位が大きく変動する珍しい池泉庭園。 |
× | 敷地面積の割りには日本庭園としての見所は少ない。 |