西福寺
さいふくじ
西福寺は室町初期(1368)に創建した浄土宗の寺院。庭園は江戸中期に作庭され、仏教画「上品上生図(じょうぼんじょうしょうず)」に基づいて作庭された。昭和7年(1932)に国指定名勝を受ける。
書院奥の山畔を活かした地形に、多くの石を配した池泉回遊式庭園。パンフレットによると石が如来・菩薩、刈込みで雲を表現した極楽浄土の世界を表現している。如来とは悟りを開いた仏のなかでの最高位であり、菩薩とは如来に次ぐ位の仏様のことである。ちなみに悟りは52段階あり、52の位が如来となる。
阿弥陀堂と本堂となる御影堂(みえいどう)を繋ぐ四修廊下(ししゅうろうか)から庭園を見下ろす。四修廊下は極楽常道への道と見立てている。また池泉は東西に延び、中島は3つの大石が放射線状に配され躍動感がある。
書院からは山を借景にしており、山裾には小さな溝池を設けて、山腹の排水に備えた実用と景観を兼ね備えた「用と景」である。これは福井県では小浜市の萬徳寺にも共通し、江戸中期頃によく見られる。
庭園は書院からサンダルで散策できるようになっている。3つの切石で階段状に重ねた段状石橋が架かる。また、右手には小さな滝石組がみられる、
山畔を登っていくと、その先には芝庭が広がり、最上部には三尊石組がある。天を突くような立石の中尊石は、仏の最高位である阿弥陀如来に見立てている。
大石が放射線状に配された岩島。
池泉の上に四修廊下を設け、奥には大島がある。
大島を四修廊下から見下ろすと、このようになっている。
西福寺の視点場は、この四修廊下からと書院からの2ヶ所であるが、庭園を立体的にみられる四修廊下のほうが美しい。
書院から額縁庭園を撮影して、西福寺をあとにする。
西福寺案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 池泉の上に作られた四修廊下や書院など視点場を変えて観賞できるのが良い。また四修廊下の下部も神秘的な感じがあり美しい。 |
× | 山畔に置かれている多数の石組が、やや単調である。 |