吐月峰 柴屋寺庭園
とげっぽう さいおくじていえん
臨済宗妙心寺派の吐月峰柴屋寺は、室町時代後期の連歌師である宗長(そうちょう)ゆかりの寺。日本庭園史大系(著 重森三玲)によると、庭園は江戸末期の作庭とのこと。連歌:二人以上の人が、和歌の上の句と下の句とを互い詠み合っていく形式の歌。
徳川家康によって、本寺院が朽ちるのを惜しんで修復された柴屋寺。柴屋寺ではお寺の女性が園内を丁寧に解説してくれます。まずは、書院から額縁庭園を撮影。
北斗七星をかたどった池であるが、書院からだと北斗七星の様子が理解しにくい。
連歌師・宗長が月の出を待っていた「月見石」と「座禅石」。
茶室に面した庭越しに、ラクダの背中のような形をした天柱山(てんちゅうざん)がみえる。柴屋寺の山号(さんごう)は、この天柱山からきている。ただ、木の生長に借景となる天柱山が見えにくくなっている。山号:仏教の寺院に付ける称号
茶室に面した池泉庭園の奥には、分かりにくいが枯滝がある。赤枠で囲ったところが枯滝であるが、その場所をズーム撮影してみると、
このようになっている。かろうじて枯滝石組が分かるレベルだろうか。もはや肉眼では判別できない。
庭園は散策できず、書院から座って観賞する池泉観賞式庭園の柴屋寺。国指定名勝ではあるが、植栽が豊かになりすぎ、庭園の魅力を感じにくいのは残念なところである。
○ | お寺の方の丁寧な解説により、庭園の見所を理解しやすい。 |
× | 木々や植栽が伸びきり、石の美しさや、借景の美しさが損なわれている。 |