泉涌寺 御座所庭園
せんにゅうじ ござしょていえん
鎌倉時代に創建された真言宗泉涌寺派の総本山。江戸時代の後水尾天皇以降幕末までの歴代天皇・皇族の墓があり、皇室の菩提寺として御寺(みてら)とも呼ばれる。御座所は皇族のご参拝時における休憩所として江戸時代に造られ、御座所庭園も同時期に作庭。
泉涌寺の本坊にある御座所から庭園を眺める。泉涌寺周辺には5つの庭園があり、そのうち2ヶ所は泉涌寺境内にある。伽藍拝観(500円)で境内に入り、さらに特別拝観(300円)で本坊に入ることで見学できる。もう1ヶ所は楊貴妃観音像の枯山水であり、こちらは伽藍拝観のみで見学可能。
白砂と池泉の間にある刈込みや植栽は排除したほうが、池泉の形状や後述する池泉に浮かぶ結界石の存在が強まり、庭園の美しさをより引き立つと思った。
縁側から池泉に向かって飛石が続く。
飛石の先は池泉で行き止まり。その先には池中立石のような鋭利な立石があり、これは人間が渡ることができない結界石のような役割を果たしている。つまり築山を神域として見立てている。
白砂は大海と大河を表現。奥に見える建物は明治17年に再建された宸殿(しんでん)風の建物で、歴代天皇の位牌を祀っている。
王座の間から額縁庭園を撮影。室内は撮影禁止であるため庭園のみの撮影となる。
右手の野筋には、三角形のような位置関係の石組があるが、よく観察すると伏石などもあり5石組だ。左手の苔庭には舟石のような石を据え、大河へ向かうようなシーンを見立てているのだろうか。
○ | 大河と大海を表現した白砂と池泉の地割りが美しい。 |
× | 池泉手前の刈込みにより池泉の美しさを、やや損なっている。 |