秀吉の右腕とも言われた天才軍師・黒田官兵衛。その子孫にあたる政治家・黒田長成(ながしげ)の別邸が清閑亭である。明治39年(1906)に建てられ、戦後は第一生命保険相互会社が買い取り、平成17年に有形文化財に登録。翌年には敷地が国の史跡に指定され、平成22年(2010)から一般公開される。
2014年NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の黒田官兵衛の子孫でもあり、貴族院副議長を努めた黒田長成(ながしげ)の別荘。無料で一般公開されていて、ゆっくりと休憩できる小田原の穴場といっても過言ではないでしょう。
まずは座敷に足を踏み入れる。障子と板ガラスに挟まれた空間に内廊下、その奥に芝庭。この奥行き感にグッときます。
座敷からは松を主体とする芝庭を楽しめる。ちなみに清閑亭は2階建てで、2階に上がれます。
2階座敷の雰囲気。高台にあり、その奥には相模湾が控えることもあり、とても心地よい風がはいってくる。取材時は気温30度の夏日であったが、2階座敷はクーラーいらずの楽園。この椅子に座って1時間ほど過ごしたいぐらいだ。
2階座敷から芝庭を見下ろしてみる。
水平目線だとこのような感じ。松の巨大さに目を奪われる。ずっと、2階座敷に居たい気分だが、次の庭園に向かうために1階に降りよう。
清閑亭の一角が「カフェ清閑亭」であり、芝庭を眺める最も眺めのよいロケーションである。飲食をしなくても見学できる。さらにパンフレットには、昼食の持ち込みもできると記載されており、正直びっくり仰天である。もちろんゴミは持ち帰りですよ。
板ガラスの左奥にみえるのが年中赤色に色づいている「ノムラモミジ」である。庭園にノムラモミジがあると、緑一色になりがちな庭園に差し色となって美しいですよね。ちなみにノムラモミジとは「野村」ではなく「濃紫」からきている。
折角なのでカフェ清閑亭でレアチーズケーキを頂く。隣の方が頂いていた「アイス抹茶(小田原もなか付き)」の方が美味しそうに見えたので、次回はこちらにしてみよう。
芝庭を散策することもできる。白い大きな沓脱石(くつぬぎいし)は、近くを流れる早川の上流から採取されたといわれている。
清閑亭が二階建てになっているのが分かります。
芝庭に立派な松が植えられています。芝庭に石組と所々に配置され、和洋折衷な庭園といえるだろうか。
やはりもう一度、楽園の2階座敷が気になり階段を上る。借景に民家が入る込むものの相模湾や石垣山が控えていて気持ちイイ。
清閑亭の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 2階座敷の居心地が良すぎる。またカフェ清閑亭からの芝庭の眺めも美しく、小田原観光の休憩ポイントとしては最高峰ではなかろうか。 |
× | 芝庭を基本とする庭園のため、純粋な日本庭園としてみると見応えは薄い。 |