詩仙堂
しせんどう
詩仙堂は、徳川家の家臣であった石川丈山(じょうざん)が隠居のため造営した山荘、また曹洞宗の寺院でもある。丈山自身は庭園の名手でもあり、丈山59歳(1641)の江戸初期に作庭された。
紅葉の名所としてしられる詩仙堂。一乗寺エリアでは最も賑わうスポットであり、紅葉シーズンになったらこのような人が映り込まない額縁庭園の撮影はなかなか粘りと根気がいるだろう。こちらの撮影日は10月の土曜日であるが、ほぼ常に観光客がいて、僅かな瞬間を狙って撮影。
書院からはサツキ(皐月)の刈込みによって中国の山並みを表現している。このように中国(唐)をイメージした庭園を「唐様庭園」と呼ばれ、詩仙堂以外では詩仙堂を模した「丈山苑(愛知県安城市)」がある。名前の由来もちろん詩仙堂の作庭した石川丈山だろう。
白砂には日本庭園に一般的にあるような砂紋ではなく、細い筋がつけられているだけである。シンプルながら気品ある枯山水を感じさせる。
枯山水には右奥に一石だけ据えられている。少し高さがあり、石の天端(てんぱ)が平らな平天石(へいてんせき)が据えられている。天端:石の上部
書院をでて苑路を散策。切石が並べられた氷紋敷きの敷石沿いに苔築山を眺める。
苔築山の頂きには、三尊石風に組まれた石組。石を深く埋める(根入れが深い)ことで安定感が生まれ、かつ稜線の広がりも生まれる。石を据えるときの基本的な技法である。
書院に戻って再び枯山水を望む。詩仙堂には洗蒙瀑(せんもうばく)という滝もあるが、撮影し忘れた・・・
受付前から、庭園撮影を楽しむ女性を額縁庭園として写真に納める。
最後に老梅関(ろうばいかん)を撮影して詩仙堂をあとにする。やはり、ここは紅葉が色づく時期に訪れるべきだろうか。
○ | サツキの刈込みで中国の山並みを表現した枯山水、石は1つだけで極めてシンプルな庭園。 |
× | 紅葉が色づく時期、サツキが色づく5月以外に訪れると物足りなさを感じる。 |