松籟閣
しょうらいかく
松籟閣は朝日酒造の創立者である平澤與之助(よのすけ)が、昭和9年(1934)に建築した住宅。平成14年に70mほど曳家構法で移動させ、平成30年には建築物は国の重要文化財となる。
月曜、水曜、金曜の午前11時~午後2時のみ公開されている松籟閣(しょうらいかく)は、重要文化財から中庭を眺められる。
コの字型に囲まれた中庭を設けているが、かつては東側には大広間があり四方囲まれた中庭となっていた。この中庭で私が目を奪われたのは右手前の風合いのある石灯篭である。
排水溝があるため、水を張っていることもあるのだろう。そのため松籟閣は池泉庭園に分類した。注目したのが赤、茶、青、白色と彩り豊かな石を配置している点だ。もう一つ見逃せないのが手水鉢である。側面のデザインが銀閣寺型手水鉢とまったく同じである。銀閣寺(慈照寺)の記事と見比べて欲しい。
当主の居間であった「朝日の間」あたりから中庭を望む。
松籟の間に面した内廊下からの額縁庭園。
豪華にて上質な応接室。ここだけ異空間でステンドグラスまである。
朝日の間から芝庭を眺める。石組は特に見当たらないが、中央に島を設けて石灯籠と木と植えている地割りが余り例をみないもので面白い。
邸宅の風格を感じさせる飛石。表門から表玄関と内玄関に分岐してアプローチされる。
○ | 3方向から庭園を眺められ、その借景に重要文化財の建築物が入るため全体として風格のある庭に仕上がっている。 |
× | 庭園自体は特筆できる要素が少ない。 |