旧田中別邸(田中義一)
きゅうたなかべってい(たなかぎいち)
第26代・内閣総理大臣であった田中義一の別邸。主屋は江戸末期時代の建築で、二階建ての五松閣は昭和2年(1927)に建築されたものだ。また敷地に隣接して「かんきつ公園」がある。これは江戸時代に、現在の場所に住んでいた長州藩士・小幡高政が、士族救済の一環として夏みかんの栽培を奨励した名残である。
橋本川を望む内閣総理大臣であった田中義一の別邸。萩市文化財施設1日券で巡れる庭園では、もっとも広い敷地をもつ屋敷である。まずは書院から橋本川を借景にして、蹲踞(つくばい)と灯籠を望む。
書院から二方向の額縁庭園を撮影。書院から外側に向かって順に内縁(うちえん)、外縁(そとえん)となり、内縁は畳敷きの内縁である。
書院ではよく見られる軒先手水鉢であるが、かなりの巨石である。
田中義一が住んでいたときに造築した二階建ての五松閣。五松閣の二階座敷からは橋本川や天狗山の景観も楽しめる。
また屋敷内には船着き場を設けて、橋本川へ舟で出入りできるようにして船遊びに興じたとのこと。
橋本川と船着き場を繋ぐ水路。奥には天狗山を望む。
五松閣1階の座敷から伸びる飛石。
座敷から眺め。軒先手水鉢と石灯籠をおいているが、石灯籠は近年設置したものだろう。また右奥は「かんきつ公園」へと繋がっている。
額縁庭園を撮影。
最後に書院から二方向の額縁庭園を撮影。二方向の額縁庭園で河川が映り込むのは、こちらの庭園ぐらいではないだろうか。
かんきつ公園に繋がる庭園。
石組はあまり見られないが、三尊石風の石組をみつけたので撮影。
○ | 橋本川と天狗山を借景とした邸宅庭園を書院から楽しめる。 |
× | 特に見当たらない。 |