山川登美子記念館
やまかわとみこきねんかん
明治時代の文芸雑誌「明星」で与謝野晶子と共に活躍した山川登美子。山川登美子記念館は山川の父である第二十五国立銀行の頭取が建てた邸宅であり、平成17年(2005)に小浜市へ寄付されたことより記念館として一般公開された。
2020年に訪問時は庭園が手入れ中であり撮影を見送り2022年に再訪。コの寺型に囲まれた邸宅のなかに中庭を設けている。
和室と座敷に囲まれた内廊下から撮影。
今回は事前に役所に連絡を行い特別に庭園内での撮影を許可いただいた。
コンパクトな中庭には飛石を打ち、いつくかの灯籠をおいている。写真はオーソドックスな春日灯籠。
笠、火袋、中台などが四角形となっている通称「西ノ屋型」といわれる石灯籠。鎌倉時代に生み出された意匠であり、奈良県春日大社にで使われたのがルーツである。
濡鷺型(ぬれさきがた)石灯籠。鷺(サギ)が一本足で立っている姿を模して造られたと言われている。
枯山水にも分類されないような中庭であるが、趣のある庭となっている。ただ鹿の銅像を飾っている意味はなんだろうか。
中庭にある唯一の石組は三尊石風になっている。中庭の主石のような存在であるため、この石組周辺の植栽だけは除去したほうが良いのではないかと感じた。
○ | 小さな中庭ながら重厚感を感じられる意匠になっている。 |
× | 三尊石風の石組周辺の植栽により石組が弱まっているのはもったいない。 |