櫻池院
ようちいん
櫻池院は平安時代(1127年)に白河天皇の第四皇子である覚法親王によって開基。境内には昭和27年(1952)に重森三玲によって作庭された枯山水があり、宿泊者以外も見学できる。
高野山の庭園は全て寺院にて管理されているが、公式に一般公開されているところは金剛峯寺だけである。多くの寺院は宿坊となっており見学できないところが多いが、一部寺院では宿泊者以外でも見学できるところがあり、櫻池院もそのひとつである。高野山では重森三玲の作品が多く残されており、こちらも同氏の庭園である。
重森三玲の作品を何ヶ所が巡った方なら、一目で重森三玲と分かる石組だろう。意欲的に石を建て、鶴や亀のようにみえる石組が重森三玲の特徴でもある。ちなみに
明確に亀石組や鶴石組の区別は付かないが、右手の二石組が亀石組、中央の三尊石を兼ねた鶴石組だろうか。
石庭は15石で構成されており、3・2・2・2・2・2・1・1石となってる。写真は1石。
手前に伏石を置き、奥は立石を中心としている。
奥の立石は1石のようにも見えるが二石組で、互いの石を支え合うような絶妙なバランスである。
先ほどの二石組。
写真左に山門があり、山門から本堂に向かって進むことで視点が動くことを想定して造ったとのこと。また2021年頃までは石庭に電灯があったが、現在では除去されていて、借景となる木々との調和が取れて美しい。
○ | 高野山で重森三玲の石庭を唯一気軽に見学できる寺院。石庭の向かいには白砂敷きの空間があり、併せて眺めていると、コンパクトながら奥行きのある庭園にみえる。 |
× | 特に見当たらない。 |