萬慶寺
ばんけいじ
萬慶寺は江戸時代(1720)に創建された曹洞宗の寺院。第7代鯖江藩主・詮勝(あきかつ)による天井墨絵「風神」「龍神」「雷神」が文化財指定を受けている。庭園の作庭時期は不明であるが、風合いから見ると昭和から平成にかけての近代庭園と思われる。
江戸時代に建築された山門「鵬霄閣(ほうしょうかく)」は、二階建ての楼門。
鵬霄閣前には白砂敷きで大海に見立て、いくつもの岩島を配している。岩島は丸みを帯びた柔らかい表情ながらも、決して単調ではない良い石を選定している。
三尊石風に配置された岩島。
坪庭には手水鉢が置かれている。平石を活用した立体構造になっている。類似例がありそうでない意匠だ。
本堂南側にも枯山水があり三尊石組を置いている。寺院の格式が分かる筋塀には3本線が引かれ、最高格式が5本線である。3本線の筋塀としては、「真長寺 石庭」(岐阜市)などがある。
同じ三尊石でも視点場によって大きく見え方が変わるのが、良い石組の一例である。
○ | 庭園に使われている石は青石で統一され、特に本堂南庭の三尊石は視点によって表情が大きく変わり、良い石組みとなっている。 |
× | 特に見当たらない。 |