大覚寺
だいかくじ
石岡市の大覚寺は、浄土真宗を開祖したと伝わる親鸞(しんらん)聖人が鎌倉時代に流布活動をおくっていた地である。池泉庭園は江戸時代に作庭され、桂離宮を模したとされる。昭和43年に石岡市指定名勝を受ける。
大覚寺庭園というと、京都・嵯峨野にある大覚寺の平安時代に作庭された池泉庭園を思い出すが、こちらは茨城県石岡市にある大覚寺である。案内版には「桂離宮を模したもので、どの角度から見ても裏がなく『裏見無しの庭』と称される」と表記されているが、日本最高峰の桂離宮を模したとはとても思えない。
正面から眺めると中島と、左手に滝石組らしき石組を確認できる。
焦点距離135mm(35mm換算)の望遠レンズで撮影すると、長石を垂直に立てた滝石組のような意匠を確認できる。手前には天を突くような岩島を据えている。池中立石だろうか。
別角度から撮影。周辺の植栽を伐採すると滝石組が主体となり、庭園全体が引き締まると思われる。
岩島越しに中島を撮影。中島には岩島を並べ渡れるようになっている。
中島の護岸石組は大振りではなく、低く抑えられ全体として美しい。雑草を除去すればグッと品格があがるだけに残念だ。
中島に繋がる岩島は、渡り石としても機能しており、こちらも美しい岩島だ。
ぐるっと巡って10分もかからない庭園だった。木々が茂っており日本庭園を見慣れていない人だと池のある庭園にしか見えないだろう。こちらに訪れたら、車で20分ほどの距離にある春風萬里荘で本格的な石庭も合わせて訪問することをお薦めしたい。こちらは万人にお勧めできる庭園といえる。
○ | 中島を取り囲む護岸石組、中島に繋がる岩島が美しい。 |
× | 木々が茂っており美しさを見いだしにくい。こういった庭園は、葉が落ちる冬期に訪れるのが良いだろう。 |