大心院 阿吽庭
だいしんいん あうんてい
妙心寺の塔頭寺院である大心院は、武将・細川政元によって室町時代(1492)に創建。安土桃山時代に細川幽斎によって現在地に移転された。庭園は「昭和の小堀遠州」と称えられた作庭家・中根金作によって昭和に造られた。宿坊としても利用できる。
大心院は常時公開されているが、前回訪問時は法事だったのだろうか拝観できなく、今回ようやく拝観できた。書院前の「阿吽庭」は17の石を配している。
白砂、奇岩、苔で龍が天に登ろうとする姿を現しているとのことであるが、抽象的で理解が難しい。
苔の野筋には三尊石を組み、蓬莱山に見立てているのだろうか。すると右手の赤石は舟石となり、蓬莱山に不老不死の妙薬を取りに行く様子とも捉えることができる。
野筋に組まれた三尊石。5色の石を配して色鮮やかなところも特徴だろう。
白砂と野筋の間に据えた横石が龍なのだろうか?
渡り廊下の扉に「押す」という文字があったので扉を押して進むと、東庭を発見。こちらはあまり紹介されていない枯山水だ。波を表しているような大刈り込みが美しく印象的である。
東庭の南側には白色の巨石を配している。
土と瓦を交互に積み重ねて作った土塀が美しい。
内廊下から枯山水を眺める。
大河に見立てたような白砂をもつ阿吽庭を最後にもう一度眺めて大心院をあとにする。また本記事では取り上げなかったが、本堂南に花壇のある「切石の庭」と呼ばれる枯山水もある。
○ | コンパクトな敷地に曲線を活かした苔の野筋と石組により、柔らかさと強さを感じさせる。また東庭の波打った大刈り込みも美しい。 |
× | 特に見当たらない。 |