童学寺 逍遙園
どうがくじ しょうようえん
童学寺は真言宗善通寺派の別格本山となる寺院。飛鳥時代に行基が創建し、平安時代には弘法大使(空海)の学問所でもあった由緒ある寺院である。平成29年(2017)に本堂が火災により焼失するが、庭園は無事だった。庭園は石井町指定名勝となっており、室町時代に作庭されたと伝わる。
飛鳥時代に創建された古刹に、室町時代に作庭されたと伝わる「逍遙園」がある。山畔を築山とした池泉観賞式庭園である。
池泉には、力強い護岸石組で囲まれた中島を配している。中島の頂部には左に傾けられた立石が印象的。
築山に枯滝石組を造っているが、分かりにくいので写真に青色で線を引いた。
枯滝石組を望遠撮影。頂部には滝石をらしき立石が組まれ、そして滝にはとても薄い石橋を架けている。
逍遙園で特筆したいのは、薄い上品な石橋である。この写真には3本の石橋が架けられているが分かるだろうか。
分かりやすいように青色で線を敷いた。
中央の石橋を望遠レンズで撮影すると、このような造形である。無骨な力強い集団石組に、このような石橋を架けることで変化を付けている。
先ほどの石橋を別角度から撮影。
築山の頂部には遠山石(えんざんせき)らしき立石があり、蘇鉄も植樹されている。遠山石:遠山を抽象的に表現した石により庭園に遠近感を生み出している。
庭園北部には岩で構成されており、持ち込まれた岩ではなく、当初からあった岩を活かして、このような石の多い庭園を造ったのだろう。
中島を北部から撮影。
童学寺の本堂などが平成29年に火災で焼失した。こちらの敷地には本堂や書院があった。クラウドファンディングにより本堂再建を行っており、数年後には元の姿を見せてくれるだろう。またそのときに訪れたい。
○ | 迫力ある集団石組と、薄くて華奢な石橋の組み合わせが緊張感を生み出していて美しい。 |
× | 特に見当たらない。 |