鎌倉時代から代々続く深田氏。1300年頃に深田氏が上京後に庭園が造られた鎌倉時代に作庭された山陰最古の庭園となる。平成12年(2000)に国指定名勝を受ける。
鎌倉時代に作庭された山陰最古となる庭園を、事前予約を行い見学させていただく。写真に写っている範囲がほぼ全景というコンパクトな庭園であるが、これまでに見たことがない迫力を感じる。
庭園東部には蓬莱式遠山の立石が三尊石で組まれている。これほど巨大な三尊石は数少なく、また石材に注目したい。これは火山灰が凝結してできた凝灰岩(ぎょうかいがん)であり、表面に多くの凹凸がみられる。日本でこのような石が庭園に使われることは少ないが、中国では凹凸のある石は人気があり、サンゴや貝などの死骸が凝結してできた石灰石を好んで使われる。
庭園中央には鶴島。左が鶴首石であり、羽石は斜めの斜線模様のある凝灰岩が使われ羽の様子を上手に表現している。パンフレットによると、鶴がヒナを羽の下に抱いているような手法と表現している。
庭園西部には亀島を配しており、同じく凝灰岩が使われている。
角度を変えて亀島を撮影。左側の立石が亀頭石であり、亀頭石の手間に亀脚石、亀の上部に亀甲石がみつかる。
東屋から深田氏庭園を眺める。ラジカセにより庭園解説が流れ、さらに主人からも庭園を解説があり分かりやすい。
特別に庭園内部を散策許可をいただいた。三尊石付近から東屋を眺める。
三尊石のある出島には、このような薄い自然石による橋が架けられている。今にも折れてしまいそうな華奢な石橋が、橋の品格を生み出す。
鶴島の鶴首石に近づいて撮影すると、その石材料が傑出していることが理解できる。また写真右側は羽石だ。
写真中央に亀島、右手に鶴島を眺める。鎌倉時代の庭園は全国で13ヶ所ほどしかなく、鶴亀島の原型をとどめているのは、京都の西芳寺(苔寺)と深田氏庭園のみとのこと。
○ | 凝灰岩による三尊石、鶴亀島は力強さのなかに繊細さを感じ取らることができ全国的に貴重な庭園といえる。 |
× | 取材時は、植栽がやや伸びており石組が隠れているところがある。 |