世界2,800ヶ所以上の夜景を巡った男が庭園を巡る

願勝寺

がんしょうじ
美しさ ★★
静寂さ ★★★
徳島県美馬市
  • 願勝寺

    四国最古の枯山水

    枯山水
    庭園面積 50坪 (小規模)
    雨でも十分に楽しめる
    作庭時期 不明 ~飛鳥 奈良 平安 鎌倉 室町 安土桃山 江戸 明治 大正 昭和 平成 令和

願勝寺の由来

願勝寺は平安時代に創建した真言宗御室派の寺院である。境内には四国最古といわれる枯山水が残されており、鎌倉時代末期から室町初期(南朝時代)に作庭されたとされる。作庭は願勝寺の十七代の浄真和尚と関係のあった武将・細川 頼春( よりはる)、その子である頼之(よりゆき)と推測されている。平成10年(1998)に県指定名勝を受ける。






  • 四国最古の枯山水

    願勝寺庭園は室内から繋がる外縁側からの鑑賞となる。そのため予約は必須ではないが、お寺の方がいないと見学ができないので事前の電話確認をお勧めしたい。さて、本庭園は四国最古の枯山水であり、重森三玲によると、かつては水が流れており現在では涸れてしまったとのこと。

  • も枯滝石組

    願勝寺庭園の魅力はなんといっても枯滝石組。パンフレットには天龍寺 曹源池庭園と同一の手法で造られている。このような枯滝石組が全国に5ヶ所あると記載されているが、他4ヶ所はどこになるのだろか。

  • 枯滝石組の図解

    特に傑出した中段を図解していこう。まずは水落石に大きな板状の青石を使い、両側の滝添石が水落石よりも高くなっている。そして水が落ちる下部には鯉魚石を据えている。願勝寺に訪問するような方であれば、鯉魚石の説明は不要だと思うが、不明な方は天龍寺 曹源池庭園の記事を参考にしてほしい。滝上部にも鯉魚石があると記されており、現地で寺院の方に尋ねるが不明とのこと。パンフレットには白色の鯉魚石と記載れていたため、写真の上部にあるのが鯉魚石と判断したが確証はない。

  • 枯滝石組

    解説を取り除いた写真。実に美しい造形である。

  • 鯉魚石

    写真下部の鯉魚石。こちらは間違いないだろう。

  • 滝上部は三段の落差をもつ滝石組

    「日本庭園史大系(著:重森三玲)」によると。滝上部は三段の落差をもつ滝石組となっているが詳細は分からなかった。見どころとなる先ほど説明した滝は4段目となる。

  • 曲流式で池泉へと繋がっている。

    鯉魚石から下部は2段の滝石組となり、曲流式で池泉へと繋がっている。

  • 池泉は江戸時代に大きく改修

    池泉は江戸時代に大きく改修されているとのこと。石橋の左手には亀島を造っている。

  • 橋添石

    石橋は幅広でありつつ薄く華奢な上品なものである。そして4ヶ所に橋添石を置くことで橋に安定感を生み出している。

  • 亀石島

    亀石島。中心石の奥に小さな立石があり、亀の上に子亀が乗っているようにもみえるが偶然だろう。


総評
四国最古の枯山水であり、天龍寺と同一手法で造られた枯滝石組を見学できる。また滝石組は6段落としの珍しいタイプである。
×特に見当たらない。


アクセス
徳島県美馬市美馬町願勝寺8
徳島道・美馬IC 車で5分

駐車場
有り(無料)

開園時間
日中
お寺の方が不在の場合見学不可のため、電話確認をお薦めします。

入園料
無料

地図
正門にピンを立てています。
訪問日 2021-11-20 (土) 更新日 2022-01-30



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よくある質問


いつごろ作庭された庭園ですか。
作庭時期は室町初期です。
雨でも濡れずに楽しめますか。
はい。充分に楽しめます。
抹茶や珈琲などを楽しむところはありますか。
残念ながら、ありません。



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