玄忠寺
げんちゅうじ
玄忠寺は室町時代(1508)に創建した浄土宗の寺院である。日本三大仇討ちのひとり・荒木又右衛門の菩提寺で、荒木又右衛門遺品館も併設されている。庫裏北側には鶴亀庭があり自由に見学できる。
本堂の北側に回り込むと鶴亀庭へ続く門があり、こちらから庭園を見学できる。
手前の踏み分け石で、池泉と庭門へ道が分かれ、池泉側に進むと池の際に礼拝石がある。この池は蓮池であり、蓮池の奥には立石による三尊石があるのが分かるだろうか。
近づいて三尊石を観察すると、中央が阿弥陀仏、左右に観音菩薩、勢至菩薩を表している。
先ほどの踏み分け石から礼拝石に向かうところは傾斜になっている。写真中央から少し右手にある板石が礼拝石である。
その奥には鶴亀庭と呼ばれるものがあるが、分かるだろうか。このヒントだけで分かる方は、かなりの古庭園を巡ってきた方だと思われる。
松は鶴に模していて、池泉の出島は亀出島となっている。鶴は抽象的で難しいが、鶴に似たような石組が見当たらなければ、松を疑ってみるとよい。玄忠寺では、鶴が羽を広げて大空へ飛び立とうとする姿を模している。亀出島は具象的で分かりやすいだろう。
別方向から鶴と亀出島を撮影。こちらから撮影すると亀出島の先頭にある石が亀の頭を模した亀頭石であることが分かりやすい。
○ | 松で鶴、出島で亀を表現した鶴亀庭、そして三尊石と蓮池により極楽浄土を表現した基本的な古庭園に仕上がっている。 |
× | 特に見当たらない。 |