1981年に開園した池泉鑑賞式庭園。「昭和の小堀遠州」と称えられ、足立美術館の庭園も造園した作庭家・中根金作によるもの。玉翠園の近隣にある翡翠園と同列庭園であり、翡翠園は池泉回遊式庭園である。
糸魚川市には、今や世界から観光客が訪れる庭園「足立美術館」を作庭した中根金作が造園した庭園が2つ存在。そのうちのひとつ玉翠園を訪問。こちらは谷村美術館と共通になっているため、まずは谷村美術館へ向かう。
谷村美術館に向かう通路の柱のひとつが、土台に石が使われている。それも立派な石で、ちょっとした遊び心にテンションが上がっていく。
撮影禁止の谷村美術館は木彫りの仏像が展示されていた。小規模な庭園を眺めながら、玉翠園に向かう。
玉翠園は館内から庭園を眺める「鑑賞式庭園」だ。足立美術館と同じ観賞方式である。訪問日はとても暑い日であったが、エアコンの効いた室内でゆっくり眺められるのは有り難い。こちらは喫茶も兼ねており、アイス珈琲などドリンクが注文できる。
額縁庭園を撮影。山間から流れる二本の川は、どちらも自然の流れであり、流量も多く気持ちいい。
ただ、窓枠が少し気になる。庭園自体が美しいだけに残念だ。
緩やかな滝の周りには迫力のある石組が使われている。滝の流れのなかにも石を添えることにより、複雑な水の流れを生み出している。
足立美術館同様に借景に山があり、庭園に広がりを持たせている。
庭園内には立ち入れないが、屋外に少し散策路が設けられているので、外からも撮影してみる。こちらは庭園に向かって左側にある滝。こちらもダイナミックに石が使われていて風格を感じさせる。
盆栽のような美しい黒松が植えられている。黒松を使って遠近感を活かした写真を撮影してみるが難しかった・・ 足立美術館のように大きな松でないと成り立たない?いや、私の技術不足だろう(笑)
庭園左手には小型の石灯篭が添えられる。
屋外にある休憩所から庭園を見渡す。植え込みが綺麗に刈り込まれ、よく整備されていることがわかる。
庭園の右手前を眺める。池泉に突き出した出島は洲浜(すはま)となり、美しい曲線を描くことで庭園に柔らかな要素を与えている。洲浜:池泉の水を美しく魅せる技法
驚くほど大きな飛び石で正門まで繋がる。これほど大きな石が多用された庭園はそれほど多くないだろう。
○ | 大きな石組が多く使われることで庭園にメリハリが生まれ、滝の流れも心地よく、観ていて飽きがこない美しい庭園である。 |
× | 館内の窓ガラス枠にもどかしさ感じる。また、赤い毛氈が敷かれた床几台と翡翠のテーブルの調和が取れておらず落ち着かない。個人的には、窓の高さに合わせた畳敷きにして、低いソファーなどを並べたモダンな感じにしてみると居心地の良い空間なると思う。 |