八浄寺
はちじょうじ
淡路島七福神めぐりのひとつで大黒天を祀る寺院。創建は室町時代と伝わる。庫裏にある枯山水は「昭和の小堀遠州」と称えられた作庭家・中根金作(なかね きんさく)が創設した中根庭園研究所の監修のもと、平成13年(2001)に造られた。
淡路島七福神めぐりのひとつである「八浄寺」には、本堂東側に枯山水がある。特に案内板などはなく、意識して見つけようとしないと気づかない場所にある。
こちらの枯山水は、なんと中根庭園研究所によって設計・施工されている。創設者は中根金作で、 足立美術館(島根県安来市)の庭園を作庭したことで知られる昭和の有名な作庭家である。
大河に見立てた白砂には、舟石とみられる横石を配しており、不老不死の妙薬のある蓬莱山へ向かっている構図にみえる。ただ、手前の富士山のような築山か、奥の石組のどちらが蓬莱山になっているか分からない。ちなみに富士山のような築山は人工芝で覆われている。おそらく近年改修されたものだと思うが、やや興ざめなところだ。
八浄寺では境内で七福神めぐりができるようになっているが、注目したいのは白亜の太湖石(たいこせき)だ。太湖石とは、中国庭園で必ず見られる凹凸のある石灰石である。中国では人気が高く、日本同様に神や気が宿るとされる。中国四名園の首位に君臨する拙政園(蘇州)の記事にて、本場の太湖石を見て欲しい。
境内の隅に枯滝石組を見つけるが、木々が植樹され折角の枯滝石組の魅力が失われている。
○ | 中根庭園研究所の監修・施工された枯山水と、中国庭園で必ず見られる太湖石を見学できる。 |
× | 枯山水の築山が人工芝で覆われ、また枯滝石組のある築山に木々により本来の魅力が半減している。 |