八幡神社 磐境
はちまんじんじゃ いわさか
創建時期不明の八幡神社。正式名称は「八幡神社」であるが、他にある八幡神社と区別するため、地名にちなんだ三加茂八幡神社や、金丸山をご神体としていることから金丸八幡神社と称されることもある。磐境と呼ばれる神社を取り囲むような列石が残っている。
国道192号線を走行しているときに、ふと目に留まった列石。これは「日本の10大庭園 著:重森千靑」で紹介されていた磐境であることに気づき、すぐにUターンして見学。著書によると、磐境とは聖域の結界を表すために設けられ、神社の玉垣に相当するものと考えられている。こちらの磐境は高さは一定ではなく、西に行くほど高くなっている。
磐境とセットで思い出されるのが、磐座(いわくら)である。磐座では倉敷の阿智神社をはじめ各地でみられるが、磐境は希有である。阿智神社にも磐境が残されているが、その面影は少なく、八幡神社の磐境はとても貴重なのである。
正面から撮影。緑泥片岩(りょくでいへんがん)の青石が利用されており、薄い板状の石である。このような石を多様した庭園としては、徳島市の阿波国分寺庭園が有名であり、四国では外せない庭園のひとつだ。
ネットで記事を探していると、道路工事の影響で当初の位置から場所が変わっていたり、歩道拡張のため一部が取り壊されていたりなど、少し前までは文化財保存がぞんざいになっていたようだ。
最後に八幡神社を撮影して、次の目的地へ向かう。
○ | 結界としての磐境が立ち並ぶ。当初と位置は変わっているとはいえ、これだけの規模での磐境の例は少なく貴重である。 |
× | 貴重な文化財であることが分かりにくいため、案内版の設置と今後の保護を期待したい。 |