昭和27年(1952)に創業した和菓子の製造・販売店。特に小豆にこだわりをもち、丹波大納言・黒大豆は、毎年主人が買い付けている。茶寮は平成15年(2003)にオープン、JR京都駅にも支店を持つ。
わらび餅で有名な茶寮「宝泉」。全ての席から日本庭園を観賞できるようになっており、お庭は散策できないがガラス越しに枯山水を楽しめる。
週末の15時過ぎに到着したところ、丁度全ての座敷が開き入れ替わるタイミングの一番手であったため、最も眺めの良い上座に案内頂いた。甘味ができあがるまで少し時間がかかるので、その間に庭園撮影。
冬にもかかわらず苔がしっかりしており、手入れがゆき届いてている。苔庭の間に白砂を敷き流れに見立て、流れに沿って飛石を大胆に配置しているのも良い。
飛石、延段が宝泉の見どころのひとつ。
露地門からの木漏れ日が良いアクセントになった。
枯池には白砂を敷き、砂紋を描いている。
撮影しているうちに、わらび餅が届いた。一般的な「わらび餅」はわらび粉ではなく、「でんぷん」に着色したものが多いが、宝泉では、100%わらび粉である。時間と共に堅くなっていくため、すぐに食べることをお薦めされる。黒蜜をかけなくても、上品な甘さがあり美味だ。
「わらび餅」を頂いたあとは裏庭を撮影。
苔庭に挟まれた流れから、池泉へと注ぎ込まれる構図となっている。
切石と自然石による美しい意匠をもった延段。ここで注目したいのは延段の左右にある「敷き松葉」である。これは、赤松の古葉を苔に敷くことで、苔を霜柱から守りつつ、露地に冬の風情を添えている。まさに「用と景」だ。
最後に京都イチといわれる「わらび餅」を。それなりのお値段であるが、わらび餅のクオリティと雰囲気込みで考えると適正かも。また、小学校未満のお子さまは座敷を利用できないため、静かな空間が約束されているのも嬉しい。
○ | 静かな環境で、こだわった小豆を使った和菓子を頂きつつ、のんびりと日本庭園を観賞できる。京都旅行の締めにもお薦め。 |
× | 特に見当たらない。 |