市島邸
いちしまてい
富裕農家、いわゆる豪農であった市島家の屋敷。市島邸は明治初期に、東京ドームの約半分となる8000坪の敷地に屋敷と庭園が造られた。
8,000坪という広大な敷地に造られた屋敷。まずは邸宅の中を巡りながらお庭を散策していこう。まずは水月庵から。
水月庵は、6畳と4畳半の数寄屋(すきや)である。数寄屋の「好き」とは現代語の「好き」であり、こだわって好きに造った建築のことである。また古くは和歌を作ることに熱心な人にも使われ、次第に「数寄」は茶の湯に通じる意味となり、数寄屋≒茶室という意味で使われる。
水月庵の近くには蹲居(つくばい)が設けられている。蹲居は隣接する茶室へ向かう際など、身を清めるために造られていることが多い。これも、その用途で間違いないだろう。
続いて書斎に向かう。額縁庭園を楽しめそうな座敷が多いが、実際には座敷からは庭園を囲む木々を眺めるのがメインとなる。
書院の丸窓から新緑を眺める。
93畳の広さを誇る南山亭。その一角から新緑を眺める。
それではお庭にでてみよう。池に架かる橋が苔むしていて美しい。
池泉には石灯籠と石組がみられるが、全体を通じて見所となるポイントが少ない。
市島邸の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 渡り廊下で繋がる邸宅は広く、様々な座敷から庭園を囲む木々を眺められる。特に水月庵がハイライトであろう。 |
× | 純粋に日本庭園としてみると見所は少なく、邸宅を愉しむところと考えた方がよいだろう。 |