昭和天皇の行在所(あんざいしょ)として2泊された飯塚邸は、本地域の大地主である。江戸末期から大正期における邸宅であり、行在所として利用後に、庭園は「秋幸苑」の名を天皇家より賜った。平成13年(2001)に市に寄贈され、平成15年より一般公開される。
柏崎市唯一の公共施設である飯塚邸。開放感ある座敷棟から額縁庭園を愉しむ。
訪問日は水が抜かれているが、通常は水が張った池泉庭園となっている。庭園は「秋幸苑(しゅうこうえん)」と名付けられ、天皇がお泊まりになったあとに、陛下より賜った名称である。
こちらの沢飛石は石臼塚と呼ばれる佐渡の石臼を利用している。佐渡は石工で栄えた土地でもあり、新潟の庭園には石臼塚が時折みられる。また庭師に伺うと、沢飛石の配列は北斗七星を模っているとのこと。
佐渡の石臼を近づいて撮影。石臼を回せるように中心と側面にはへこみがあり、棒が刺さるようになっている。
池泉には切石による石橋を2本架けている。手前の石橋は中央が架けていることにより、単調にならず品格を保っている。偶然の産物であるか、意図した造形であるかは不明だ。
良質の苔で覆われた築山には。富士型の石を据えている。こちらは柏崎市の南に位置する標高993mの米山に見立てている。
茶室から池泉を眺める。こちら側から石橋を眺めると架けているところがなく、人工的な感じがして、どことなく味気なく感じる。
天王陛下のお泊まりになった上座敷から中庭を眺める。
中庭から上座敷撮影。二階建てになっており、2階も天皇陛下のお休みになった奥座敷となり、こちらも見学可能である。
再び座敷棟に戻る。新潟の庭園には日本三大銘石のひとつ「佐渡の赤玉石」がよく使われる。水が滴ると赤みがより鮮やかになり、色の変化を楽しめる。なお、他の三代銘石は、諸説あるが神戸の本御影石・鳥取の佐治川石といわれる。
築山から秋幸苑を見下ろす。左側の山形の石が米山に見立てた石となる。
飯塚邸 秋幸苑の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 石臼塚と呼ばれる佐渡の石臼を使った沢飛石が珍しく、またその形状が北斗七星を模っているとのいうのも面白い。 |
× | 特に見当たらない。 |