十禅律院
じゅうぜんりついん
天台宗寺院である十禅律院は、江戸後期(1800)に紀州藩徳川家の援助を受けて創建。
粉河寺庭園から1分ほど東方向へ歩いていくと十禅律院がみえてくる。書院からは、泉葛城山を中心とする和泉山脈を借景とした枯山水「洗心庭」を愉しめる。
サツキの刈込みに目を奪われるが、石に注目して見ていく。すると、まず目に付くのが自然石による石橋だ。太めではなく薄く上品な印象である。
サツキの刈込みに囲まれたところには、枯滝石組が造られているが、植栽により詳細を把握しにくい。
立石と横石を巧みに配置し、栗石を敷いて渓流を見立てている。
書院から額縁庭園を撮影。
借景は平安時代から使われていた技法であるが、流行したのは江戸時代以降である。十禅律院の「洗心庭」も、この頃に作庭されたものあり、それほど広くない庭園に雄大な景観を生み出している。
庭園を眺めるポイントは書院のみであるが、心落ち着く気持ちのいい枯山水であった。
○ | 和泉山脈を借景とした枯山水。 |
× | やや植栽が多く、枯滝石組などが見えにくくなっている。 |