神峯山 大門寺は奈良時代(771)、光仁天皇の皇子であり桓武天皇の兄にあたる開成皇子(かいじょうおうじ)によって開基された、真言宗御室派の寺院である。境内には、5年の歳月をかけて令和5年(2023年)に完成した池泉回遊式庭園がある。先代住職の庭園造りが趣味であったことに端を発し、京都大学名誉教授で日本造園学会会長も歴任された中村 一(まこと)氏の監修によって造営された。
安威川ダムからの夜景撮影を予定したときに、googleマップで大門寺に庭園があることに偶然気づき訪問。広大な駐車場にクルマを停めて、5分ほど坂道を登って行くと、真新しい日本庭園があった。
偶然にも住職がおられ、特別に庭園内部と伽藍などを見学させていただいた。ちなみに通常時の庭園は見学できますが、視点場が限られるため、本記事のようなアングルでの庭園は通常は見られないのでご注意下さい。
まずは伽藍から池泉庭園を撮影。こちらには元々池が無かったところに、新たに池を新設したとのこと。池泉には岩島と中島を設けている。
中島は亀島のようにも見えるが、住職の話では亀島ではないとのこと。洲浜を設けた中島の意匠が素敵である。
阿武山を借景としており、5石で組まれた石の構図は左右対称のようになっており、日本庭園では珍しい配置である。
池泉南部には低めの枯滝石組を設けている。
祠のところに元々本殿があり、現在はここより上部に新たに新築されている。また祠と伽藍の間には池中立石(ちちゅうりっせき)を配している。池中立石の代表格といえば、特別名勝「毛越寺(岩手県平泉町)」が挙げられるが、こちらんも池中立石も斜めに傾けるだけで、より美しさが際だつだろうと感じた。
伽藍へは飛石を打っているが、踏み分け石には伽藍石を再利用している。駐車場から境内へ向かう石段にも大量の瓦などを集め再利用しており、その石段も見物である。
伽藍から池泉を撮影。
こちらに日本庭園で最初に造られたのが、こちらの滝石組とのこと。山畔活かした地形に巨石を積み上げた豪壮なものである。
滝石組上部にも滝石組を設けている。一般的には視界に入らないようなところまで、このような石組になっているところに驚いた。
先ほどの滝石組から流れを設けて、先ほど池泉庭園と導かれている。
| ○ | 護岸石組と枯滝石組を組み合わせたスケール感のある池泉回遊式庭園で、かつ見事な借景を活かしている。 |
| × | 山の斜面にある四阿から庭園を見下ろせないところが、唯一惜しいところである。 |