桂國寺庭園
けいこくじていえん
桂國寺は室町時代(1413)に創建した曹洞宗の寺院。本堂裏の庭園は、安土桃山から江戸時代の大名であり、千利休と師弟関係をもつ茶人としても知られる作庭家・上田宗箇(うえだ そうこ)によって作庭。後に、日本庭園研究会会長も努める作庭家・吉河功にて平成初期に再整備された。
阿南市にある知られざる名庭園が、ここ桂國寺庭園である。千利休と師弟関係をもつ茶人としても知られる作庭家・上田宗箇にて作庭された池泉庭園は本堂裏にある。
「古庭園の観賞と作庭手法(著:吉田徳治)」によると、山麓に露出している岩盤を石組や枯滝としている。具体的にどの部分が枯滝であるか不明であるが、恐らく岩盤全体を滝に見立てているのではないだろうか。
池泉西部から撮影。池泉は護岸石組で取り囲まれ、僅かに出島を造っている。
池泉には岩島を配しておき、岩島に向かって3石の沢飛石が連なっている。蓬莱山へ向かう舟石にも見えなくないが、恐らく的外れだろう。
書面には集団石組を組み、桃山時代らしい豪壮な石組である。
池泉東部には亀島らしき中島がみられる。中島には中心石を配しており、こちらも護岸石組で囲まれている。
中島から池泉を望む。
山麓付近から撮影。これほどの名園にもかかわらず、本堂には申し訳ない程度の窓しかないのが不思議なぐらいだ。
急峻な山麓であることが分かるように撮影。車以外ではアプローチしにくい場所であるが、古庭園好きなから一度は訪問してみたい名園だろう。
○ | 急峻な山麓を活かして、岩盤と石組で枯滝石組を表現しており、桃山時代を感じさせる力強い石組を楽しめる。 |
× | 特に見当たらない。 |