吉備津神社
きびつじんじゃ
県指定文化財に指定された長さ398mの回廊にある吉備津神社。創建時期は不明。現在の本殿は、室町時代(1425年)に室町幕府三代将軍・足利義満により再建。本殿庭園もこの時期に作庭されたものと推測。
本殿近くの祈祷殿の東部に小さな池泉庭園がある吉備津神社。山陽道屈指の大社でもあり外国人観光客も訪れる神社であるが、こちらの庭園は案内図にも記載されておらず眺めているひとは少ない。いくつもの修復跡がみられるが、本殿が再興された室町時代に作庭されてものと推測する。最後の写真に掲載している案内図には庭園場所を加筆しています。
急峻な山麓には巨石による三尊石風の立石が組まれ、そこから滝石組を経由して池泉に向かって水が流れる。
滝石組からの遣水(やりみず)は、複数の段差が付けられ緩やかに流れる。遣水:水の流れ
滝石組をズームアップ。本庭園は滝の上側まで上がることができ、上から滝を眺めることもできるが、やはり地上から眺めるほうが美しい。
比較的大きめの石による集団石組と、ツツジの刈り込みにより借景となる山麓との連続性を生み出している。
吉備津神社の有名な長さ約400mの回廊。
回廊の先には水車のある日本庭園がある。場所は最後の案内図に「庭園2」として加筆。作庭時期はこちらも不明だが、丸みを帯びた柔らかな石が多様され、先ほどの庭園とは明らかに作庭時期が異なり近年造られたものだろう。
水車側から遣水を眺める。
最後に吉備津神社と道路を挟んだ向かいにある宇賀神社。神池に垂れる松の大木が印象的であったが、庭園らしきものは見あたらなかった。
吉備津神社案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 時代の異なる2つの日本庭園を楽しめる。 |
× | 特徴の少ない庭園であり、庭園目的で訪れると物太良無さを感じる。ただし、吉備津神社は回廊など山陽エリアの大社であるので近くに行くことがあったら立ち寄りたい神社である。 |