吉備津彦神社
きびつひこじんじゃ
創建時期は不明であるが、記録より平安時代以前である。日本庭園の源流のひとつである環状列石をみられる神社である。
吉備津彦神社は、日本庭園の源流とされる「環状列石(かんじょうれっせき)」、「磐座(いわくら)・磐境(いわさか)」がみられる神社である。そのため一般的な日本庭園を楽しむスポットではない。環状列石とは、重森千靑氏の著書「日本の10大庭園」によると「環状列石とは、最古は縄文時代までさかのぼり、諸説あるが墳墓の可能性が高い。自然の石には永続性があり、自然の石を選び見立てるという行為は、日本庭園の源流とも考えられる(意訳)」。なお磐座・磐境については阿智神社(倉敷)の記事を参照して欲しい。
環状列石のある神島には石橋が架けられているが、結界により渡ることはできないが十分に観賞できる。
このように綺麗な楕円形に、大きさの異なる石が並べられている。
石橋は一部崩壊しかかっているが、歴史を感じさせる重みある意匠である。
環状列石のある中島の手前にも神島があり、こちらは亀島となっている。写真が亀の頭の方向と考えらる。頭の先には岩島がある、面白くも何匹もの亀が岩島で日光浴をしている。
亀島の護岸石組は他では見られない荒々しい意匠であり興味深い。外に向かって突き出た強い気勢を感じる。 気勢:石の形や大きさや模様などからくる勢い(パワー)のこと
鶴石組ともみえる小さな岩島をみつける。
参道を中心として、南側に亀島、環状列石の神島が繋がり、
北側には鶴島神社のある鶴島が配置されている。神池には3つの神島が、ほぼ直線的に配置されているのも意図したものだと思われる。
○ | 日本庭園の源流ともいえる環状列石を神島上で観賞できる。 |
× | 日本庭園に深く理解をもっていないと魅力を感じとりにくい玄人向け庭園である。 |