弘源寺 虎嘯の庭
こうげんじ こしょうのにわ
天龍寺の塔頭院である弘源寺。室町中期(1429年)に幕府の役人であった細川持之公が、天龍寺の開山であり日本初の庭園家でもある夢窓疎石(むそうそうせき)の孫・玉岫禅師(ぎょくしゅうぜんじ)を開山に迎えた。開山:初代住職
禅の悟りの境涯を表現した「虎嘯の庭」。春秋のみ一般公開される庭園であり、天龍寺に向かう参道沿いにあるためか、意外と拝観客が多い。弧を描くように敷かれた白砂で大海を表現しているのだろうか。景の中心となる石は、他と異なる色であり、横長の石は舟にも見える。
庭園東部には丸みを帯びた石を組み、河沿いの山を表現しているようにみえる。
庭園西側には立石が組まれている。日本を代表する作庭家・夢窓疎石の法孫が開基した寺だけあり、コンパクトながら隙のない作庭だ。
再び庭園東部を眺める。白砂で見立てた河川沿いに石が組まれ、山間から大河に流れ込む様子を表現しているようにみえる。写真はないが、同じ場所をもう少し高い視点からみると、もっと分かりやすい。
撮影可能な庭園は、写真でみえている範囲が全てである。撮影可否が分からなかった裏庭もあるが、敢えて撮影するほどではなかった。
額縁庭園を撮影してみる。こちらの庭園は窓ガラスを開けることができないため、晴れている日はとても撮影がしにくい。撮影目的であれば曇天がいいだろう。
○ | 大胆に弧を描いた白砂で表現した大海。その大海を取り囲むように作られた苔庭や築山のバランスが見事である。 |
× | 窓ガラス越しにしか庭園を観賞できない。そのため晴天時は逆光になり、ガラスに光が反射して撮影しにくい。 |