兼六園、偕楽園と並ぶ日本三名園のひとつ後楽園。1999年頃から「夏の幻想庭園」としてライトアップイベントを開始。現在では春、夏、秋の年3回「幻想庭園」として夜間特別開館が行われる。同時期には岡山城のライトアップや天守閣の夜間入場なども可能となる。本記事は「秋の幻想庭園」の取材である。
日本三名園のひとつ後楽園。年3回開催されているライトアップイベント「幻想庭園」を訪問。平日にもかかわらず、観光客で賑わいを見せていた。まずは、正門から一番遠い「千入の森(ちしおのもり)」へ。千入とは幾度も染めるという意味で、後楽園で紅葉が最も美しいエリアになる。
続いて後楽園の人気ポイント・唯心山(ゆいしんざん)へ。 築山に植樹されたツツジの刈込みや、石組に照明を向けることで築山に立体感が生まれている。
唯心山から橋の架かかる「中の島」と、その左手に御野島(みのしま)を望む。曲線美をもつ苑路はフットライトで照らされている。
唯心山から正門方面を望む。最も照明があたっている屋敷が、池泉庭園のある延養亭(えんようてい)である。こちらも苑路に設置されたフットライトにより、見事な庭園夜景を魅せてくれる。ただひとつ、視界に照明の光が入ってくるのだけは残念である。
沢の池越しに中の島を望む。また左手には岡山城が顔を覗かせる。
沢の池北部は、後楽園と岡山城を望むベスト撮影ポイント。枯山水に置かれた和傘のライトアップが絶妙だ。
焦点距離50mmの標準レンズで撮影して、若干トリミング。和の雰囲気を感じ取れる一枚に仕上がった。
延養亭(えんようてい)近くから唯心山方面を撮影。小川沿いは西洋的なライティング手法が使われている。不思議と違和感はなく美しい。
花葉の池(かようのいけ)にて撮影。漆黒の池に反射する紅葉が美しさを際だたせる。
延養亭(えんようてい)の池泉庭園。
廉池軒(れんちけん)に架かる石橋。
唯心山の近くに組まれた陰陽石がみつかる。陰陽石とは男根を陽石、女陰の形に似る石を陰石と呼び、子孫繁栄の象徴とされる石組である。おそらく、意味を理解しつつ、三脚で撮影している人は少数派だろう・・・
最後に中島を撮影。なお本記事の写真は暗め(アンダー気味)にRAWで撮影して、Adobe LightroomとPhotoShopにて、暗いところは明るく、明るいところは暗くなうようなシャドウハイライト処理をかけている。そのため実際に現地でみる光景よりも鮮やかな表現になっている。
○ | 明暗はっきりさせたライトアップで、庭園と紅葉の魅力を引き出している。 |
× | 唯心山から庭園を見下ろすと、一部照明が視界に入ってくる。 |