妙蓮寺
みょうれんじ
妙蓮寺は鎌倉時代(1294)に創建された日蓮を宗祖とする本門法華宗の大本山。 十六羅漢石庭は、日蓮宗の僧である玉淵坊によって江戸時代初期に作庭された。
表書院から眺める十六羅漢石庭。白砂は一般的には大海に見立てるが、こちらでは宇宙を見立ている。
奥にある石庭で最も大きな石は臥牛石(がぎゅうせき)と呼ばれ、豊臣秀吉によって伏見城より移された名石である。臥牛石は仏教を開祖した釈迦が横たわっている姿に見立てられ、これ以外の石は、釈迦の弟子の中で最も位の高い地位となる羅漢(阿羅漢)に見立てており、こちらは15石となる。
羅漢十六石の残りの1石は、観賞している自分自身のことであり、釈迦の説法を頂戴している十六羅漢となる。そして石庭全体で法華経の世界観を表現しているとのこと。ちなみに、兵庫県丹波市の 清薗寺でも十六羅漢式石組がみられる。
サツキの時期が終わり剪定されていた。4月中旬から5月下旬に拝観すればピンクに染まったサツキと十六羅漢石庭の彩り豊かな石庭を楽しめることでしょう。
表書院からの額縁庭園。右側が奥書院となる。
奥書院の東側にある中庭には枯山水が造られ、黒玉石で枯流れを造っている。
井戸のように穴を掘り手水鉢を設置した、あまり例を見ない造りである。
社務所前にある「妙浄乃庭」は、平成になって造られた枯山水。
枯流れに切石による石橋を欠けたミニチュアのような枯山水。取材時は大木の枝の下にある観察しにくかったが、ネットで2009年の記事を確認すると、渡り廊下から見下ろして全体を確認できるようになっていた。かつてのような状況に戻ることを願いたい。
切石による石橋。コンパクトながらも質感のある造形だ。書院では庭園と寺院の紹介DVDを視聴でき、理解が深まるようになっている。
○ | 十六羅漢石庭の作庭意図が解説されており、理解が深まるようになっている。またお寺の方が詳しく説明してくれるのも有り難い。 |
× | 妙浄乃庭を覆い被さるように大木により、しゃがみ込まないと枯山水をみられない。 |