世界2,800ヶ所以上の夜景を巡った男が庭園を巡る

中江準五郎邸

なかえじゅんごろう
美しさ ★★
静寂さ ★★★
滋賀県東近江市
  • 中江準五郎邸

    枯流れの意匠が見事な池泉回遊式庭園

    池泉庭園
    庭園面積 160坪 (小規模)
    室内からも庭園を眺められる
    作庭時期 不明 ~飛鳥 奈良 平安 鎌倉 室町 安土桃山 江戸 明治 大正 昭和 平成 令和

中江準五郎邸の由来

中江 準五郎は20世紀前半に朝鮮、満州、中国に18店舗の百貨店を経営していた中江勝次郎の四兄弟の末っ子。中江準五郎邸は昭和8年(1933)に建築され、庭園は江戸末期創業の造園業者「花文(花文造園土木株式会社)」によって造園された。その後、平成9年の「あきんど大正館」整備事業で修復整備されている。






  • 花文

    近江商人の邸宅庭園を多く手掛けてきた造園会社「花文(花文造園土木株式会社)」。花文は江戸末期から明治前期にかけて500ヶ所以上の庭園を気づいた作庭家・勝元 鈍穴(どんけつ)を継承した造園会社である。そのため花文が手掛ける庭園は「鈍穴の庭」と呼ばれ、中江準五郎邸もそのひとつである。

  • 池泉

    庭面積の1/4程度を占める池泉は仏間を囲むように広がっている。

  • 池泉

    蔵前から池泉を石橋を眺める。

  • 枯流れ

    本庭園で最も美しいと感じたのが「枯流れ」である。写真が「枯流れ」の下流から撮影したもの。写真右手には井筒も配している。

  • 枯流れ

    枯流れには玉石が敷かれ、沢飛石を打ち、池泉と境には二段に石を並べた独特の意匠を持っている。

  • 石畳

    中流は石畳。石灯籠も違和感なくおさまっている。

  • 石畳から枯流れを撮影すると、途中に置き灯籠を置き、さらには小さな石橋を渡し、単調にならないような工夫が随所にみられる。

  • 滝口

    上流には滝口を設け、渓谷から緩やかに流れるような意匠になっている。

  • 善導寺型灯籠

    池泉には噴水を設け、左手には善導寺型灯籠が置いている。善導寺型灯籠は京都市役所近くにある善導寺が元となっており、中台の側面にハート型の刻り込みや火袋に茶道具が彫られている。

  • 沓脱石と伽藍石

    座敷前には鞍馬石の沓脱石と伽藍石(がらんせき)による円形の飛石が印象的。伽藍石とは神社仏閣の柱の基礎として使われてものであり、この伽藍石を飛石として再利用している。日本庭園ではこのような再利用がよく見られる。伽藍石の奥には手水鉢がある。

  • 手水鉢

    手水鉢は苔付き風合いがよい。普通に歩けば1分ほどで周遊できるコンパクトな庭園ながらも、見どころが沢山の邸宅庭園だ。


総評
玉石を敷いた枯流れには単調さはなく、邸宅に作庭された枯流れとしては特筆できる意匠である。
×特に見当たらない。


アクセス
滋賀県東近江市五個荘金堂町643
JR能登川駅からバスで10分

駐車場
有り(ぷらざ三方よし 無料)

開園時間
10時~16時30分

定休日:月曜日(祝日を除く)・祝日の翌日・年末年始

入園料
大人400円
小人200円

公式サイト

地図
正門にピンを立てています。
訪問日 2023-11-11 (土) 更新日 2024-07-05



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よくある質問


いつごろ作庭された庭園ですか。
作庭時期は昭和です。
雨でも濡れずに楽しめますか。
室内からも庭園を楽しめますが、庭園を満喫するには屋外を回遊する必要があります。
抹茶や珈琲などを楽しむところはありますか。
残念ながら、ありません。



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