沼津御用邸 東附属邸
ぬまづごようてい ひがしふぞくてい
沼津御用邸は明治26年(1893)に大正天皇の静養先として造営。東付属邸は明治36年(1903)に御学問所として赤坂離宮の官舎を移築して造営。昭和45年(1970)には沼津御用邸記念公園として一般公開。平成28年(2016)には一部の景観が「旧沼津御用邸苑地」として国名勝指定を受ける。
77年間御用邸でだった沼津御用邸には西付属邸と東付属邸があり、東付属邸には茶室があるため露地と、ちょっとした日本庭園がある。西付属邸から東付属邸は徒歩10分ほどかかるが、車で東付属邸の駐車場まで移動でき、再入場のチケット購入は不要である。ただし園内でチケット提示を求められることがあるため、入園チケットは車に残さず持ち歩こう。
築山には複数の石と灯籠を据えているが、特に見いだせるものはなかった。
御殿から茶室に向かって流水が作られ、流れのなかに石灯篭を据えている。
茶室「翠松亭」があり、露地見学も入園チケットだけで可能なのだが、当日は貸し切りで離れたところからの見学しかできなかった。
望遠レンズで露地を撮影すると、白砂に自然石を乱張りした延段が敷かれていることがわかる。自然石のみで構成された延段を「草」、自然石のみを「真」、ミックスしたのを「行」と表現する。これは書道の「楷書(真書)」「草書」「行書」に習うものであり、写真の延段は「草の延段」と言い表せる。
潮風を防ぐために江戸時代以前から用いられてきた沼津垣。景観的にも実用的にも優れた「用と景」の意匠である。
生垣は生垣は2段組で、さらに奥の林も生け垣として取り込む意匠になっている。
沼津御用邸 東附属邸案内図
○ | 御用邸の庭園をみられるのは沼津御用邸と日光田母沢御用邸の2ヵ所だけとなる貴重なスポット。 |
× | 庭園としての造形に注目すべきところは少なく、庭園主体で訪問すると物足らない。 |